発売前からグリス確定でOCが伸びないとか爆熱とか言われていて、実際に各所のレビューでも高い温度を出していたHaswellですが、どれだけ熱いのか実際に見てみることにしました。OCできない環境なのでOCはしないで実験です。OCerは参考にしないでください
後Haswell Refreshの場合は微妙に挙動が変わります。ノーマルHaswellの場合の記事になります。Haswell Refreshの場合は、この記事の+0.07Vの部分が+0.03V程度になるようです
PC構成
マザーボード | Z87 Extreme4(BIOS 2.70a) |
CPU | Intel Xeon E3-1225v3@3.6GHz 4C/8T |
メモリ | CFD W3U1600F-8GE x2 |
SSD | TOSHIBA S6TNHG5Q256 |
GPU | HD4600P (On Board) |
ケース | Antec SOLO White(リア800rpm) |
CPUクーラー | Thermalright Macho14cm PWM) |
電源 | Antec SG-650 |
OS | Windows 7 ultimate 64bit |
室温 | 20℃ |
冷却チェックなので、重要なのはCPU、CPUクーラー、室温でしょうか
Vcoreデフォルト
電圧はオートのまま、TBは最大の36倍にしてベンチをまわして温度を観察してみます。CPUクーラーは結構冷えるMacho Rev2をPWMで使っています。リテールでも1回データ取ってみれば良かったんだろうけど付けた後なのでさすがに面倒でした。ちなみに室温は20℃です
OCCT Linpack AVX
OCCT Linpack AVXをまわしてみました
Vcoreは各コア最大1.15V程度まで上昇。温度も平均75℃近くまで上昇しています。CPUクーラーの回転数は付属の14cmファンが900rpmほどでまわっていました。室温20℃+Machoでここまで上昇しているので、夏場+リテールだとかなり不安になるレベルの温度になっています
OCCT Linpack
では次にAVXのチェックを外してやってみました
Vcoreは約1.08V、温度は55℃程度となりました。電圧は0.07V程度、温度はAVXに比べて15℃以上と大きく差がついています。CPUクーラーの回転数も500rpmに留まっていました。見た目の温度以上に差があることになります。これなら全く問題ないのですがなんでこんな大きな差が出るのでしょう?
x264ベンチ
ではAVXを使う実用アプリを動かしてみましょう
Vcoreは基本的には1.08Vで推移するのですが、たまに1.15Vに跳ね上がることがありました。最高温度もOCCT Linpack AVXなしに比べて若干上昇。ただしCPUクーラーの回転数は上がらず。ほぼOCCT Linpack AVXなしと同じようになるけれど、電圧がたまに上昇したり実際温度が上がっているのでAVXの具合によって変動するのは間違いなさそうです
x264はAVXやAVX2を使いますが、効果が薄いのでハードに使っているわけではなさそうです。もしAVXやAVX2をフルに使うアプリを動かした場合はOCCT Linpack AVXと同じように高温になるかもしれません。逆に言うとゲームや動画再生、ネット程度の一般的な用途であれば温度は気にしなくて良さそうです
Vcore Override 0.96V
では次にVcoreを下げて同じようにOCCTをまわしてみます。BIOSでVcore Override Voltageを0.96Vに設定しました。0.95Vだと落ちることがありましたが、0.96Vだと数時間単位で回しても安定していたことを最初に書いておきます。安定ラインは個体差なので、どの石もこの設定が良いというわけではありません。私のは少なくともハズレではないと思います
OCCT Linpack AVX
まず最初にOCCT Linpack AVXから。
結果がこちら。Override Modeなのでアイドルでも電圧が下がらず固定されているのは自然です。ただ電圧の上昇もなくなっていますね。Auto時に比べて電圧が0.2V近くと大きく下がったのが効いていて温度も15℃ほど下がりました
OCCT Linpack
では次に同じようにAVXをオフにしてまわしてみました。
こちらも0.96Vで固定ですが、AVX時に比べて10℃ほど下がっています。電圧やCPU使用率は同じですが、内部の負荷は違うようで温度は差がついたままですね。ただ電圧Autoのときに比べて電圧差がなくなっている分温度差も減っています
気になるのはAVXオフでもAVXオンでも安定ラインが0.96Vなことです。AVXオン時に電圧が上がるのは何か意味があるのでしょうが、私のCPUでは上がる必要性がない、という結果になりました。CPUの固体にもよるかもしれません
消費電力
最後に消費電力を測ってみましょう。
Auto | Offset -0.12V | 0.96V固定 | |
アイドル | 32W | 32W | 32W |
x264 | 108W | 92W | 92W |
OCCT AVX | 142W | 120W | 105W |
Haswell対応電源を使っていてC7ステートが効いているので、アイドル時の電流が小さい分電圧差による消費電力差はほとんど見られません。負荷時の電圧の方が消費電力の差に大きく影響しているのがわかります。OCCT Linpack AVX時は電圧Autoと0.96V固定で37Wもの大きな差が出ました。アイドル時に無駄なくを電圧下げたいか、AVX時に電圧を無駄なく下げたいか、でOffsetかOverrideか選択すると良いと思います。私はOverrideにしています。
まとめ
- Haswellはデフォルト設定だとAVXが使われたときに電圧が高くなり温度と消費電力が大幅に上昇
- 同じCPU使用率、電圧でもAVXが使われると消費電力も温度も上昇
- AVXを使わない人ならベンチで爆熱でも実用上気にする必要は無い
- AVXを多用する人ならOverride Modeでアタリ電圧を探すのは効果絶大
- 消費電力減らすならOffsetを選ぶかOverrideを選ぶかはお好みで
あ、あくまでOCしない場合のことなのでOCする人は参考にしないでください。Bronzeの650Wだとやっぱりアイドル無駄に高くなってしまいますね
コメント