オーディオ用ルーターやメディアコンバーターでストリーミング映像の画質はよくなるのか

ちょっと前にオーディオ用のネットワークやらルーターやらの記事を少し書いてみました。

まあそれはそれとして、オーディオ用のネットワーク機器を導入すると動画の画質も改善するという主張があることを知りました。

元々音じゃなくてDTVのブログですので、ネットワークに手をいれることで動画の画質が変わるかどうかについて考えてみましょう。

ネットワーク、映像、オーディオ、どれも詳しいわけではないので間違ってるところがあると思いますし、間違っていたら教えてほしいものです。

 

ビットパーフェクトで音は変わるのか

まず映像の前に音について確認しておきましょうか。DACへ送るデータが同じでも音が変わることがあるのか。

結論を言うと(ブラインドテストで当てられるほど変わるかどうかは別として)変わります。大きな理由は時間情報が同一ではないからですね。デジタル伝送だろうと、時間はアナログです。あとはアナログ的なノイズがDA変換時に影響を与えるかどうかですね。

44100Hzの音声であれば、雑に言うと理想は正確に1/44100秒ごとにデータを送りアナログ変換して波形を描画するわけですが、コンピューターはそんな正確な時計を持っていないので、正確に1/44100秒ごとにデータを送信/処理できません。

デジタル伝送でも方式の違いで時計の正確性や、どこの時計を使うのかが変わるので、音が変わるわけですね。

 

余談ですがCore2が出た頃/PT1が出て録画サーバーが流行りだしたころはPCの時計が非常にずれやすく、頻繁にNTPサーバーにアクセスして同期しないと録画開始・終了がずれる、なんてことがありました。Core iでハード的に、Win7でソフト的にその辺が改善されてずれにくくなっていった記憶があります。

PC上でファイルを何度コピーしても内容は変わりませんが、ファイルコピーにかかる時間は毎回微妙に変わりますよね。PCはNTPサーバーと同期させてないと時計がずれていきますよね。

コンピューターの時計の信頼性はそんなに高いわけじゃないよ、というお話でした。

 

 

メディアコンバーター(光絶縁)で音は変わるのか

LAN経由のアナログノイズを減らして音を良くしようということでオーディオ用メディアコンバーター(光絶縁)装置が発売されています。まあありうるのかもしれません。

例えばインターネットに接続された PC → USB-DAC な環境で音楽を再生し、再生中にスピードテストをかけたら音が悪くなるとか、LANケーブルを抜いたら音が良くなるとか、そういうことがおこるなら採用してもいいかもしれませんね。

私は変化が感じられなかったので私には不要です。変化が感じられる環境や人であれば導入すればいいんじゃないでしょうか。

ローカルの音声ファイルでテストするな、Spotify等のストリーミングサービスで効果があるんだ、などと言いたい方もいるかもしれませんが、通常のインターネット通信はノイズを連れてこない、Spotify等のオーディオデータだけ連れてくる、なんてことはあり得ないのでローカルファイルのテストで十分でしょう。

 

 

では映像の場合はどうなのか

ネットワーク経由のアナログノイズのせいで画質が悪化するのであれば、たとえばPCであればLANケーブルを抜くなりWiFiを切断するなりするとPCの画質が改善するはずです。

インターネット接続対応のテレビであれば、有線LANやWiFiを切断したら地デジの画質が改善することになります。

そう感じる人であればネットワークのアナログノイズ低減のメディアコンバーターを試す価値はあるかもしれません。

先ほど触れたように、音声の場合は時計(クロック)が安定したらアナログの波形も安定しますが、映像の場合も同様に例えば60fpsの映像の場合は1/60秒間の描画間隔がより正確になるということはありうるのかもしれません。ですが人間の視覚・知覚で判別できるとは思えません。

 

YouTube等のストリーミング映像の場合、回線速度が遅いと画質が落とされてしまうことがあるので、スループットが悪い環境であれば、そこを解消することで画質が向上することはあります。

古いWiFiルーターを取り換えたことで、IPv6やIPv4 over IPv6が使えるようになったとか、単純にWiFi速度があがった結果、ストリーミング映像の画質がよくなる、ということは普通に考えられます。これは異論は出ないでしょう。

ですがこれはメディアコンバーターを追加したとか、オーディオ用ルーターを追加したとか、そういったことでは発生しません。あくまで大元のルーターを変えた場合に起こることです。

 

 

メディアコンバーター(光絶縁)やオーディオ用ルーターで画質は変わるのか

先ほど言った通り、そもそもネットワークにつなぐだけで画質が劣化するような環境なら改善はありうるのかもしれません。

先ほどスループットが改善すればストリーミング映像の画質が改善することはあると述べましたが、これらメディアコンバーターやルーターの追加でスループットが改善することはまずないでしょう。

例えば仮にオーディオ用ルーターがIPv6を遮断するタイプのものであれば、その下の端末はYouTube等にIPv6でアクセスできなくなり、スループットの悪いPPPoEでアクセスされ、画質が劣化する、なんて可能性もあります。よくなる要因より悪くなる要因の方が思いついてしまいます。

 

 

レビュー記事への感想

たとえば、メディアコンバーターの追加やオーディオ用ルーターの追加で、画質が向上しただとかピントがシャープになるとか諧調が滑らかになるなどのレビューが見られます。

これらのレビューはデジタルデータ、0と1が変わると言いたいのでしょうか?モニターの光(アナログ)部分が変わるといいたいのでしょうか?後者だとして、それはどういう理屈で変わって、シャープさにつながるのでしょうか?

シャープさだとか諧調だとかは音声のときのような時間情報では説明できないでしょう。説得力のある機序が提示されていないように思います。

動画や画像でのエビデンスも提示されていません。個人的には信ぴょう性は皆無だと思っています。この手の記事の出しているライターやショップは私は全く信用していませんし悪質だと思っています。

 

 

まとめ

高画質で動画を楽しみたいので、ちゃんとした解説・証拠が欲しいです。どこかにありませんか

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